一年でもっとも庭仕事が楽しくない、寒くて、ウェットな2月に着工した、篠山のF邸のリニューアル工事。
名残の雪や、早春の冷たい雨にたびたび中断されながらも、一歩一歩と作業は進み、春が訪れ、各地でオープンガーデンが始まるころにようやく完成を迎えました。
思いがけず大工事になりましたが、完成した庭はあくまでもシンプルに、おおらかで管理のしよい庭になりました。何よりも、日陰でくぼんでいて、蛇の通り道だからと近寄りがたかった、庭の中ではデッドスペースとなっていた空間を一新して、メインテラスにできたことがうれしい限り。写真は晴れて庭園公開をされた日の様子です。まだ芝生が生えそろっていませんが、ダイナミックで品のあるフロントガーデンになりました。
同じ場所とはわかりにくいですが、こちらは施工前のテラス付近の様子です。石が多く、木々が生い茂って足元も見えにくく、てちょっと足を踏み入れにくい場所でした。
これまで庭づくりをお手伝いさせていただいたほかのお庭と同様に、こちらでも奇をてらったことはせずに(やろうと思ってもできないのだけど)、施主様の暮らしに沿うように、大事にされている草花や木々をより美しく、引き立てるように、と考えた『引き算』のデザイン。もちろん施工は手を抜かず、丁寧に、丁寧に。
その年齢を感じさせないバイタリティあふれるすてきな施主様にご縁をいただけたこと、そして今回はじめて一緒にお仕事させていただいた庭雅のO氏にも感謝感謝の思い出深い工事となりました。